ダムの「八ツ場」は、なぜヤンバと読まれるのか。「月ぎめ」の駐車場は、なぜ「月極」と書かれるのか。桜が「本日に」咲いたのはほんとうか。――日常のありふれた言語風景なのに、これまで論ぜられることのなかった問題を、さまざまの視点から考える十二の発言。『成城文藝』に三年間連載して好評を博したものを中心とする会心の一冊。
☆日本図書館協会選定図書☆
ISBN:978-4-7576-0633-3 C0395 |
にほんごにかんするじゅうにしょう 和泉選書174 日本語に関する十二章 - 詫びる?詫びない?日本人 |
定価(税込) : ¥1,980 |
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著作者よみ : | くどうりきお |
著者名 : | 工藤力男 著【著書を検索】 | |
出版社 : |
和泉書院
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発売日 : | 2012年10月20日 | |
ジャンル : | 語彙・意味 | |
判型四六判/232頁 |
目次
凡例一の章 ゲッキョク駐車場
一 極と決と
二 「きめる」を載せない古語辞典
三 碧眼が捉えたキメル
四 キメルはいつ生まれたか
五 キメルの成立過程
六 明治期のキメル
七 「決=キメル」の定訓化
八 「決める」の近代
九 ゲッキョク駐車場
二の章 におい彷徨
一 ディックとの遭遇
二 いろはにほへと
三 「丹穂ふ」から「薫ふ」へ
四 王朝のみやびの裏側
五 「かをる」の抵抗
六 国字「匂」の成立
七 匂いと臭い
八 近代日本語の中のにおい
九 臭い臭い
三の章 いかれた人はいただけます
一 たびたびの敬語論
二 「これからの敬語」
三 受身と尊敬
四 ラレルの来歴
五 ラレルの復活
六 いかれぽんち
七 「いただけます」はいただけない
八 敬語の転移について
九 皇室ラレラレ報道
四の章 ありにけり
一 俳句ブームの日本
二 氾濫する「ありにけり」
三 古歌と「ありにけり」
四 「ありにけり」の解釈
五 初出さがして十万句
六 『ホトトギス』の言語風景
七 「あり」と「ぬ」と
八 『日本語を知らない俳人たち』
九 俳句はいづこへ
五の章 八ツ場ダム
一 八ツ場ダムの衝撃
二 従来の解釈
三 公的な記録から
四 ヤバ・ヤンバ・ヤツバ
五 促音と撥音
六 群馬県方言の音韻の特徴
七 八(や)ッ(ん)場(ば)の解
八 八ツ場の怪
九 八(やん)ツ場(つば)の怪
六の章 受診と聴取
一 我がせこにあが恋ひをれば
二 格支配は変わる
三 を受診
四 を聴取
五 データは語る
六 辞書の記述を見る
七 変化の背景を考える
八 広がる格助詞「を」
九 日本における漢字の未来
七の章 詫びる?詫びない?日本人
一 謝罪行為と日本人
二 日本語動詞の一類
三 遂行と願望
四 「期待したい」
五 朦朧体の広がり
六 遂行動詞は要注意!
七 新聞の日本語再考
八の章 接辞の陥穽
一 超ドデカポスター
二 方法論
三 関係性
四 方向性
五 氾濫する「方向性」
六 接辞の陥穽
九の章 聞きまつがい
一 聞きまちがい
二 遠江の天ちう河
三 幸水と豊水
四 誉田のこと
五 類音のひろがり
六 雲林院の謎
十の章 きらやか銀行
一 合併と名づけ
二 違和感の由来
三 「きらびやか」とその周辺
四 接辞さまざま
五 形容動詞は貪欲
六 ヤカ語幹隆昌の背景
七 形容動詞の増殖
十一の章 むかし・いにしえ
一 クイズをどうぞ
二 物語の冒頭から
三 近年の実例
四 時詞の文法論
五 時詞をさかのぼる
六 和語と漢語の時詞
七 時詞と文体
八 新聞のデータベースから
九 時詞の未来
十二の章 版づらの論理と美学
一 段落論の広がり
二 段落の論理
三 引用の光景
四 引用部の前後
五 本文と注記と
六 引用部をうける助詞
七 版づらの論理と美学
コラム(懐言好語)ほっぴぎ・どっこ・つゆふみ・やぐら・かやぎ・鍋こ遠足
あとがき
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