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ISBN:978-4-7576-0400-1 C0395

しょうせつのおもしろさをかたろう

IZUMI BOOKS11 小説の面白さを語ろう

定価(税込) : ¥1,320
表紙 著作者よみ : さとうかずまさ 
著者名 : 佐藤和正 著著書を検索
出版社 : 和泉書院 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2007年2月24日
ジャンル : 散文 - 近代・現代
判型四六判/151頁
面白い小説に出会ったとき、他の人に何か言ってみたくなる。しかし、何をどのように語ればいいのだろうか。人に面白さを伝えることは難しい。このように我々の内に語ろうとする欲望を生み出しながら、同時に語ることの困難さを感じさせるような装置として小説を捉えるところから本書は出発する。たとえば小説の文章が個々の言葉の意味以上の何かを伝えてくるところから語りにくさが生じるとすれば、そもそも言葉の意味とは何なのか。また、小説はそのような装置であると同時に、語ることの困難を乗り越えて生みだされた結果でもある。語り難さを乗り越えるために、たとえば語り手はどのような役割を負わされ、どのような語り方を生み出してきたのか。こうした疑問に立ち返りながら、小説の「面白さ」に迫る。「面白さ」を語る試みを通して読書という行為の可能性を追求する。

目次

はじめに/第1部 小説への理解/第一章 言葉の文脈を理解する/読むことと表現することのつながり/「バカ」は使いよう?/文脈から読み取る〈意味〉/何のために語るのか/第二章 文学とコミュニケーション―作者・作品・読者の位置づけ/文学と身内のコミュニケーション/読みかたの「正しさ」と客観性/作者はどこにいる?/言葉の〈意味〉を求めて/第三章 語り口の変容―主人公・語り手・読者の関係/「犯人はあの人だ」―受け手を意識する登場人物たち/虚構を支える語り手たち/現代の語り その1―庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』/現代の語り その2―吉本ばなな『キッチン』/第2部 小説を語る 第四章 空白の過剰性―村上龍『悲しき熱帯』/「リアルなもの」と物語/異境への帰還―『コインロッカー・ベイビーズ』/帰化するヒーロー―「フィリピン」/滑稽さと過剰性―「ハワイアン・ラプソディ」/観客としての読者/第五章 伝えることの難しさ―夏目漱石『こころ』/文学の耐用年数?/世代を超えて伝えること/異性への違和感/自分の世界に帰るとき/語り手のなかの聞き手/第六章 文学教材で何を語るのか―辻仁成『そこに僕はいた』/国語という教科/語ろうとする欲望と文学/沈黙によって語ること/道徳教育と文学/他者と出会う/参考文献/おわりに

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