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ISBN:978-4-87424-351-0 (4-87424-351-7) C3337

りてらしーずに

リテラシーズ2 - ことば・文化・社会の日本語教育へ

定価(税込) : ¥1,980
表紙 著作者よみ : りてらしーずけんきゅうかい 
著者名 : リテラシーズ研究会 編著書を検索
出版社 : くろしお出版 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2006年7月28日
ジャンル : 日本語教育
判型A5/192頁
私たちの続けている『リテラシーズ』プロジェクトは、言葉と文化にまつわる様々な論点を扱っている。言語教育を言語研究の箱の中に留めず、人に内在する言葉の力、コミュニケーションが生み出す創造力、個人と社会の間に起こるダイナミズムといった枠組みからも議論を深化させ、新しい言語教育のパラダイムを進化させようと発信を続けてきた。(中略)今号の執筆者も、多様な理論的立場から、そして様々な挑戦的な実践を踏まえて論を展開している。こうした私たちの営みが日本語教育、さらには言語文化教育全般にわたる分野の人々に少しでも刺激となり、そこから新たな参加者が新たな論を持ち込むことによって『リテラシーズ』がより密度の高いものへ変容していくことを願っている。(はしがきより)

目次

【実践する】
韓国外国語高校における批判的日本語教育の試み
三代 純平
 0 はじめに
 1 韓国の外国語高校
 2 批判的日本語教育の韓国年少者日本語教育への適用
 3 実践「学校で何を学ぶか」報告
  3.1 活動の目的
  3.2 活動の対象
  3.3 活動の概要
  3.4 活動の報告
 4 活動の考察
 5 まとめと今後の課題

海外における「日本文化」科目のデザインと可能性:ブラジリア大学「日本文化」科目のめざすもの
根川 幸男
 1 はじめに
 2 ブラジルにおける「日本文化」科目の実態と問題点
 3 ブラジリア大学「日本文化」科目の概要
 4 ブラジリア大学「日本文化」科目の出発点と目的
 5 ブラジリア大学「日本文化」科目の試み
 6 ブラジリア大学「日本文化」科目の評価の方法
 7 今後にむけて

【調査する】
「見ること」の学習を,言語教育に組み込む可能性の検討
奥泉 香
 0 問題の所在
 1 英語圏の言語カリキュラム改革の動向
 2 英語圏の動向から得られる三つの方向性
  2.1 「読むこと」を下位に組み込む場合
  2.2 「口頭・視覚的コミュニケーション」領域として組み込む場合
  2.3 「見ること(見せること)」領域として組み込む場合
 3 共通の系統性が示唆する意味
 4 「読むこと」の拡張としてのビジュアル・リテラシーの学習
  4.1 記号過程としての類似性
  4.2 読解モデルとしての類似性
 5 まとめと今後の課題

メディア・イベントの受け手の「読み」
貞包 みゆき
 1 序論
  1.1 本研究の課題
  1.2 メディアの受け手の先行研究
 2 研究方法およびデータ
  2.1 テクスト
  2.2 受け手の調査
 3 受け手の「読み」の考察
  3.1 「どちらを応援するか」の確信と変容
  3.2 「自己」と「他者」の境界
  3.3 国旗が象徴する自己像
4 メディア・リテラシーの「場」

【考察する】
内包された読者と伸展するテキスト:読みのテキストを学習者が創る活動についての試論
小川 貴士
 1 はじめに
 2 「学習者主体」の概念
 3 テキストの産出(書く行為)に既に読者は内包されており,産出されたテキストにはさらに読者が意味を与える
 4 学期に合わせた一具体案
 5 環境設計者としての教師の役割
 6 2つの課題
 7 おわりに

戦後の日本語教育における思想的「連続性」の問題:日本語教科書に見る「国家」,「国民」,「言語」,「文化」
田中 里奈
 1 問題の所在と研究目的
 2 研究方法
  2.1 分析対象
  2.2 分析方法
 3 分析結果
  3.1 第1期(戦後〜1962年):「画一的な知識・情報」のみの提示
  3.2 第2期(1963〜1980年):「結びつき」の提示
  3.3 第3期(1981〜1989年):「差異の比較・発見」の要求
  3.4 第4期(1990年以降):「差異の比較・発見」の要求と「画一的な知識・情報」の否定
 4 教育内容の「変化」の中の「連続性」
 5 結論と今後の課題

『欧州共通参照枠』におけるagent / acteurの概念について
姫田 麻利子
 1 social agent / acteur social
 2 acteurの回帰に賭けられたもの
 3 目標社会・所属社会におけるagent性とacteur性
 4 agentである学習者の観察
 5 acteurである学習者の観察

JSL児童生徒の成長における「audibility」と「行為主体性」の意味:子どもの成長を支援する言語教育のために
齋藤 恵
 1 問題の所在
 2 JSL児童生徒の成長を捉える視点
 3 「第二言語で学ぶ児童生徒」の主体的なアイデンティティ形成と成長の諸要因
  3.1 文脈化されたコミュニケーション能力と言語行為へのアクセス,身体化された資本
  3.2 外界との相互作用に関わる要因:「audibility」と「正統性」
  3.3 継続的な言語習得,自己表象,アイデンティティ調整と「行為主体性」
  3.4 本章のまとめ:「第二言語で学ぶ児童生徒」の主体的な成長の諸相
 4 考察:JSL児童生徒の主体的な成長を支える言語教育実践の道すじと課題
  4.1 支援ネットワークの構築とJSL児童生徒観への働きかけ
  4.2 児童生徒の実態を把握する
  4.3 児童生徒の行為主体性との協働:「audibility」を守り,「行為主体性」を育てる
 5 おわりに

「社会文化能力」から「文化リテラシー」へ:日本語教育における「文化」とその教育概念をめぐって
細川 英雄
 1 「社会文化能力」とその位置づけ
  1.1 日本語教育における「社会文化能力」の位置づけ
  1.2 「社会文化能力」の理念と考え方
  1.3 「社会文化能力」の実践:イマーション・プログラムの冒険
 2 「社会文化能力」から「文化リテラシー」へ
  2.1 日本文化のルールとは何か:「情報」の実体を疑う
  2.2 活動自体の目的化の問題:体験主義の罠
  2.3 「情報」と「体験」を超えるために
 3 「文化リテラシー」の提起するもの
  3.1 「文化リテラシー」の位置づけ
  3.2 思考と表現の日本語教育へ
  3.3 教育と研究を結ぶ「実践研究」へ
 4 おわりに――ことばと文化を結ぶための実践研究へ向けて

母語話者による非母語話者のステレオタイプ構築:批判的談話分析の観点から
OHRI Richa
 1 先行研究と研究目的
 2 研究対象
 3 分析方法
 4 分析結果と考察
  4.1 ステレオタイプの導入
  4.2 ステレオタイプの維持
  4.3 ステレオタイプの強化
 5 まとめ

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