2009年度ノーベル文学賞受賞者ヘルタ・ミュラーの最新の小説、待望の邦訳。
2006年に逝去したルーマニア・ジーベンビュルゲン地方出身の詩人である友人へのオマージュ。
1945年、約8万人ものルーマニア系ドイツ人が、家畜運搬貨車でソ連の強制収容所に連れて行かれ、そこで5年間、ルーマニアがナチスに服従した罰として過酷な労働に駆り立てられた実話がもとになっている。
ISBN:978-4-384-04350-1 C0097 |
いきのぶらんこ 息のブランコ |
定価(税込) : ¥2,420 |
![]() |
著作者よみ : | へるたみゅらー |
著者名 : | ヘルタ・ミュラー 著【著書を検索】 | |
山本浩司 訳【著書を検索】 | ||
出版社 : |
三修社
|
|
発売日 : | 2011年10月22日 | |
ジャンル : | その他諸外国現代文学 | |
判型四六判/388頁 |
著者略歴
ヘルタ・ミュラー2009年度ノーベル文学賞受賞。
1953年ルーマニア西部バナート地方でドイツ系家庭に生まれた。父親は第2次大戦中、ナチス武装親衛隊で兵役を務め、母親は1945年にソ連の収容所に連行された。ティミショアラ大学でドイツとルーマニアの文学を学ぶ間、チャウシェスク大統領の独裁に反発し、言論の自由を求める運動に参加。工場の翻訳者となったが、秘密警察への情報提供を拒んで解雇され、失職。こうした体験を作品に投影した。
ルーマニアの小さなドイツ系社会における腐敗や不寛容、抑圧などを題材にした短編集「澱み」を1982年に発表。ルーマニアでは検閲対象となったが、検閲前の版がドイツ語圏で高く評価された。
1984年には作風を危険視した当局がミュラーの国内での出版活動を禁止。このため、1987年に夫と西独へ移住した。その後も「緑の梅の土地」(1994年)などで独裁下の民衆の窮状を描いた作品を発表。ヨーロッパ文学賞など多くの文学賞を受賞した。代表作に「狙われたキツネ」(1992年 邦訳:三修社1997年)、「息のぶらんこ」(2009年)
![]() |