ISBN:978-4-7576-0574-9 C3395 |
ぶんがくせんきゅうひゃくさんじゅうねんぜんご 近代文学研究叢刊48 文学・一九三〇年前後 - 〈私〉の行方 |
定価(税込) : ¥7,700 |
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著作者よみ : | うめもとまさゆき |
著者名 : | 梅本宣之 著【著書を検索】 | |
出版社 : |
和泉書院
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発売日 : | 2010年12月25日 | |
ジャンル : | 散文 - 近代・現代 | |
判型A5/263頁 |
一九三〇年前後に創作活動を続けていた作家たちが直面していたテーマは、「自我の揺らぎ」の認識および超克であったと言える。「自己とは何か」「自己の存在理由は何か、またそうした問に意味はあるのか」「自己を取り巻く世界といかに関わるべきか」といった、同時代に通有にして困難なテーマと対峙し、作品を通して自分なりの解答を模索していった作家たちの中から、中島敦、井伏鱒二、堀辰雄、梅崎春生、石坂洋次郎について、作品分析を中心とした論考をまとめ、彼らと同時代との関わりを浮き彫りにする。特に中島敦と井伏鱒二については、個々の作品分析に加えて、彼らの文学の基底を形成する文学観や世界観およびそれらの由来に関しても考察する。
目次
中島敦とアミエル、ショーペンハウエル、レオパルディ中島敦とハックスリー―『古譚』を中心に―
中島敦とカフカ
中島敦とアナトール・フランス―『過去帳』『わが西遊記』「文字禍」を中心に―
中島敦と老荘思想―荘子受容を中心に
井伏鱒二「丹下氏邸」論
井伏鱒二「さざなみ軍記」論
「さざなみ軍記」と「吾妻鏡」
井伏鱒二と老荘思想
堀辰雄「かげろふの日記」論
堀辰雄「恢復期」論―虚構への意志―
石坂洋次郎の出発期―「海をみに行く」を中心に―
梅崎春生「風宴」論―路地裏の隠棲者―
後書き
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