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ISBN:978-4-7576-0940-2 C3395

まんようけいせいつうろん

研究叢書517 萬葉形成通論

定価(税込) : ¥18,700
表紙 著作者よみ : ひろおかよしたか 
著者名 : 廣岡義隆 著著書を検索
出版社 : 和泉書院 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2020年2月10日
ジャンル : 韻文 - 上代
判型A5/840頁
本書は、萬葉作品の形成を柱として編んだ論著である。歌集としての『萬葉集』そのものの形成論ではなく、『萬葉集』に載る個々の作品の形成を考究したものである。ただし、作品形成を全面に据えての論から、副次的に形成に関わる考究まで、自ずから濃淡の差は存する。
第一部は具体的考究の前提としての基礎考察の一〇篇より成り、本書の中心は第二部の萬葉史通考の二九篇で、そのからIVは、萬葉史の第一期から第四期に対応する。第三部は余滴の四篇を収録する。
 本書の基底には、萬葉の用字に関わる考察があり、本書の用字使用
は学界への提言としてある。

目次

はじめに
凡例
   第一部 萬葉汎論
第一節 古典本文の取り扱いについて
一 はじめに―全集本及び新編全集本について―/二 『萬葉集』の四二番歌を例に/三 『新校注』本などについて/四 東野治之氏の指摘/五 『土左日記』の場合/六 風土記の事例/七 おわりに
第二節 萬葉の形成を考える
一 はじめに―作品の享受と研究と―/二 巻第一の巻頭歌から/三 事例研究/四 おわりに―形成論の意義―
第三節 過去現在未来の表現
一 はじめに―佛足跡歌碑歌の例―/二 古代の時観念と過現未表現/三 人麻呂・赤人・憶良・家持の作品から/四 「過去」と「未来」の語について/五 佛教的「過去」「未来」観/六 付表―【I】イニシヘ・ムカシ 【II】未来をさし示す語―
第四節 会話手法の双括式・頭括式・尾括式
一 はじめに―会話体採録の基準について―/二 双括式と頭括式・尾括式について/三 双括式引用の事例について/四 頭括式引用の事例について/五 尾括式引用の事例について/六 おわりに―双括式は語りの様式―
第五節 比喩の文藝
一 はじめに―枕詞とは―/二 荒垣之(あらかきの)/三 朝髪之(あさかみの)/四 埋木之(うもれぎの)/五 おわりに
第六節 ヨシ型枕詞の生成と展開
一 はじめに―間投助詞について―/二 「よし」型枕詞/三 語末が間投助詞に由来する枕詞/四 間投助詞から形容詞語尾への展開/五 おわりに
第七節 「まかね」考
一 はじめに―『日国』第二版の作業から―/二 近代以降の辞書記述の大要/三 『古今和歌集』の歌の理解から/四 古今伝受とその淵源/五 「まかね」「まかねふく」の原義/六 「まかね」の黄金の事例/七 鉄の意味が定着した理由/八 枕詞「まかねふく吉備」について/九 おわりに―『播磨國風土記』の例について―
第八節 助辞「之」の様相―『萬葉集』中の散文例を対象に―
一 はじめに―『萬葉集』における助辞「之」―/二 『萬葉集』散文事例の調査から/三 連体用法について/四 熟合用法について/五 文末用法について/六 おわりに―用法の連続相―
第九節 副詞の呼応と「未」字の再読
一 はじめに―再読よみについて―/二 再読文字について/三 呼応表現について/四 訓み添えについて/五 呼応用法からの考察/六 おわりに
第一〇節 『萬葉集』の成立と歌人
一 巻第一からの増益/二 書名『萬葉集』について/三 『萬葉集』の四世代


   第二部 第一章 萬葉史通考 I
第一節 額田王歌の文学史
一 はじめに/二 萌芽期(年表の1)/三 開花期(年表の2)/四 閉塞期(年表の3)/五 響く余韻の期(年表の4)
第二節 五月五日の詩宴
一 はじめに/二 当時の文学的環境/三 五月五日の行事について/四 五月五日詩について/五 むすびに―額田王と中国文学―
第三節 「兎道の宮子の借五百」詠
一 大要―宇治大王説話―/二 当該作品の詠作時/三 宇治の都―従来の所説―/四 『古事記』『日本書紀』による仁徳天皇像の形成/五 『山背國風土記』の逸文から/六 説話としての宇治大王/七 むすびに―都の借廬―
第四節 額田王の三輪山の歌
一 はじめに―一九番歌について―/二 古体の長反歌作品/三 代作か共有か/四 額田王歌稿について/五 おわりに―なぜ三輪山なのか―
第五節 初期萬葉の資料―額田王関係歌稿―
一 はじめに―巻第一と巻第二の原核―/二 「四種類」の歌稿/三 巻第一・巻第二の他の歌々と「歌稿」と/四 「歌稿」における具体的な用字の検討/五 用字の検討結果から/六 おわりに


   第二部 第二章 萬葉史通考 II
第一節 人麻呂の流伝歌一首
一 近江荒都歌の披露の場/二 3・二六四番歌の表記について/三 巷間流布歌か
第二節 阿騎野歌成立考
一 阿騎野長歌の特徴/二 反歌一首から反歌三首へ/三 1・四八番歌について/四 紀伊國作歌四首/ 五 作品の成立時期について
第三節 高市黒人の羈旅歌八首
一 はじめに―研究の概観―/二 歌群が意味するもの/三 黒人における修辞/四 文学史的定位/五 おわりに―残された問題―
第四節 長意吉麻呂の文学史的定位
一 長意吉麻呂の従駕歌/二 長意吉麻呂の宴席即興歌/三 巻第十六の宴席即興歌は第三期の作か
第五節 志貴皇子歌の定位―萬葉第二期から第三期へ―
一 六首の皇子歌/二 第二期の終焉/三 倭歌暗黒の時代


   第二部 第三章 萬葉史通考 III
第一節 旅人の「讃酒十三首」
一 亡妻の嘆きの極みに/二 「讃酒歌十三首」について/三 連作諸説について/四 「起」部について/五 「承」部について/六 「転」部について/七 「結」部について/八 おわりに
第二節 憶良の後ろ姿―筑前国志賀白水郎歌左注考―
一 はじめに/二 左注の吟味/三 付加一行の意味するところ/四 志賀島での遺族と憶良とその下僚と/五 おわりに―述志―
第三節 山部赤人の若の浦讃歌
一 萬葉時代の紀伊国行幸/二 神亀元年行幸の萬葉歌/三 赤人の若の浦長歌の讃歌性について/四 第一反歌の表現について/五 第二反歌の表現について/六 むすびに
第四節 山部赤人の伊豫温泉作歌
一 はじめに―「伊豫温湯碑」と『伊豫國風土記』について―/二 作品の構成について/三 重層する「時」・輪環する「時」/四 その他の問題―伊豫能高嶺・臣木―
第五節 磐姫皇后歌群の形成
一 磐姫皇后歌群/二 光明子立后という背景/三 磐姫皇后歌群の形成/四 形成の時期
第六節 竹取翁歌の特性
一 はじめに/二 長歌の露悪的主人公像/三 長歌中に見られる性的倒錯表現/四 作り物語的性格/五 序と倭歌との乖離/六 知識人の述作/七 表記の特異性/八 おわりに


   第二部 第四章 萬葉史通考 IV
第一節 高橋虫麻呂歌集の題詞
一 はじめに―題詞について―/二 「パック状」の保存ということについて/三 題詞の表記と作品内部との関わり/四 高橋連蟲麿歌集における題詞/五 おわりに
第二節 寳鎭としての不盡の高嶺
一 はじめに―「寳鎭」の語句分離表現―/二 「しづむ」と「いはふ」と/三 「鎭」字について/四 不盡の山を「鎭」と見ること/五 むすびに―虫麻呂の構想―
第三節 奈良における山居観の形成
一 遷都時の奈良の地の様相/二 奈良の都における山辺/三 謝靈運の「山居賦」の影/四 おわりに―郊居・園田居―
第四節 坂上郎女の田廬景物詠
一 はじめに/二 「始見之埼乃」と二首の文字表記/三 田庄詠歌の極み/四 田庄経営の現実/五 おわりに
第五節 遣新羅使人歌における宴
一 巻第十五の冒頭歌群について/二 行程を追って/三 病禍の中で/四 竹敷歌群の性格/五 家嶋歌群の展開/六 歌詠における文藝意識/七 原資料の表記とその書き改め/八 おわりに
第六節 山川隔(へな)る恋―宅守と弟上娘子―
一 中臣宅守と狭野弟上娘子/二 罪人、宅守/三 激情放物線―贈答のありさま―/四 短期間の贈答/五 その後の中臣宅守
第七節 大伴家持の亡妾悲傷歌
一 一三首の歌群について/二 夏六月の悲傷/三 巻第三の編纂基準/四 家持の歌日誌から/五 一三首の構成/六 季節の展開の上に
第八節 夷(ひな)に目を向けた家持
一 風流意識の昂揚/二 地域へ向ける家持の視線/三 春出挙巡行時の現地描写/四 出挙巡行後の家持の歌/五 その後の家持の成果/六 むすびに―家持の軌跡とその後への波及―
第九節 久米廣縄慰労の家持歌
一 作品の背景/二 廣縄慰労の家持歌/三 その表現/四 むすびに
第一〇節 巻第十九巻末歌群考
一 はじめに―巻第十九の巻末歌群―/二 家持詠の歌数の推移/三 巻第十九の巻末部について/四 おわりに
第一一節 防人とその家族
一 はじめに―十五巻本萬葉集―/二 現地を見据えた家持/三 宴という場―妻を詠む歌(1)・父母を詠む歌(1)―/四 国府での送別の宴―父自身の歌・妻自身の歌―/五 当時の家族構成の一例―下総國葛餝郡の例―/六 家族愛を詠む歌―子どもを詠む歌・妻を詠む歌(2)・父母を詠む歌(2)―/七 おわりに―防人歌における家族愛―
第一二節 防人の宴
一 はじめに―東歌の中の防人歌/二 類句歌の存在/三 「しだ」の語について/四 相聞贈答の遣り取り/五 おわりに―宴の席での創作贈答―
第一三節 田園耕作歌の成立
一 古代荘園について/二 『萬葉集』中の「田庄」「庄」の例/三 「田廬」について/四 耕作詠について/五 おわりに―帝王躬耕の一首―/付 【田園耕作語一覧―『萬葉集』における―】


   第三部 余滴四篇
第一節 金石文から見た上古
一 金石文について/二 稲荷山古墳出土鉄剣銘/三 江田船山古墳出土大刀銘/四 杖刀人と典曹人/五 その他の金石文/六 『萬葉集』における雄略・仁徳朝/七 『古事記』『日本書紀』の倭歌から/八 画期としての倭の五王の時代
第二節 身?ア壽氏著『額田王―万葉歌人の誕生―』書評
一 はじめに/二 時間軸を遡る形で―到達点から始発へ―/三 しなやかさと危うさと/四 額田王の変貌/五 遡及論法の妙/六 歌人としてのスタート/七 澤瀉論著との際やかな対峙/八 額田ノート/九 萬葉学の進展
第三節 宣長における萬葉学―真淵の学を乗り越えて―
一 賀茂真淵と本居宣長/二 『萬葉集玉の小琴』から/三 澤瀉注釋学のさきがけ
第四節 高橋氏文の「給」字の用法
一 賜字と給字/二 『高橋氏文』の筆録年代/三 給字と賜字の変字

収録論文の原拠について
おわりに
書後に
索引(要語索引/倭歌索引)

著者略歴

1947年1月 福井県大飯郡おおい町に生れる。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)大阪大学。園田学園女子大学講師、三重大学教育学部准教授、三重大学人文学部教授を経、現在三重大学名誉教授。
著書
『万葉の歌8滋賀』(保育社、1986年5月)
『風土記』(新編日本古典文学全集)「逸文」の部(小学館、1997年10月)
『萬葉のこみち』はなわ新書(塙書房、2005年10月)
『上代言語動態論』(塙書房、2005年11月)
『萬葉の散歩みち』(上・下/続)新典社新書(新典社、2008年7月/2013年8月)
『行幸宴歌論』(和泉書院、2010年3月)
『佛足石記佛足跡歌碑歌研究』(和泉書院、2015年1月)
『蓬左文庫本出雲國風土記 影印・翻刻』(塙書房、2018年3月)

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