「話しことば」の構造を解き明かす
英語の「話しことば」には、「書きことば」にはあまり見られないような現象が数多く観察される。けれどもそうした現象は、書きことばに依拠した英文法では見落とされていることが少なくない。本書は、そうしたさまざまな事例を、話しことばの特徴である「場面性」と「リアルタイム性」という側面から捉え直す試みである。「状況省略」や「タグ表現」といった話しことばに頻出の現象が、コミュニケーション上で果たしている役割を解明する。
ISBN:978-4-327-23809-4 C3382 |
ことばのじっさいいち 英文法を解き明かす−−現代英語の文法と語法9 ことばの実際1 - 話しことばの構造 |
定価(税込) : ¥2,530 |
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著作者よみ : | うちだせいじ/やぎかつまさ/やすいいずみ |
著者名 : | 内田聖二/八木克正/安井泉 編【著書を検索】 | |
澤田茂保 著【著書を検索】 | ||
出版社 : |
研究社
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発売日 : | 2016年4月20日 | |
ジャンル : | 文法 | |
判型A5/250頁 |
目次
第1章 書かれたことばから見た「話しことば」はじめに
1.1 話しことばとその境界域
1.2 「モダリティ」と「発話行為」
1.3 SLの特徴
1.4 リアルタイム性と場面性に関するSLの傾向
1.5 SLの分析に向けて
第2章 場面から離れられぬ運命――場面性・対面性に関わる諸相について
2.1 対面での会話の事例観察
2.2 「状況省略」について
2.3 「タグ表現」について
2.4 場面に密着した「定型的表現」
2.5 「強調」について
2.6 まとめ
第3章 時間に急かされる宿命――リアルタイム性に関わる諸相について
3.1 リアルタイムで進む発話の事例観察
3.2 発話のモデル――Levelt (1989)のモデル
3.3 「挿入」について
3.4 順序の変更を伴う表現の挿入
3.5 「繰り返し」について
3.6 「言い換え」と「言い直し」
3.7 構造の変容
3.8 まとめ
第4章 話しことばで見られる正規構造からの変化――話しことばの流れとつながり
4.1 名詞句前置について
4.2 話題化について
4.3 焦点前置文
4.4 特殊な前置文について
4.5 転置
4.6 まとめ
著者略歴
澤田茂保 (さわだ しげやす) 1959年富山県生まれ。東北大学情報科学研究科人間情報科学専攻博士課程修了。博士(情報科学)。現在、金沢大学国際基幹教育院外国語教育部門教授。論文:"The Semantics of the 'Body Part off' construction" (English Linguistics, 2000),「It is because…の分布と語法」(『英語語法文法研究』, 2004)など。![]() |