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ISBN:978-4-7576-0551-0 C0395

おおさかおーら

上方文庫別巻シリーズ4 大阪オーラ - 日本を予見する日本のハート

定価(税込) : ¥1,980
表紙 著作者よみ : みしまゆういち 
著者名 : 三島佑一 著著書を検索
出版社 : 和泉書院 近刊を見る】【新刊を見る】 【出版社web
発売日 : 2010年6月5日
ジャンル : 随筆・エッセー
判型四六判/208頁
大阪の人は今も「天下の台所」と自慢するが、天下とは幕府のこと、幕府の資金蔵として多大の上納金を収めさせられた。その上、士農工商の一番下に見られ、今でも儲りまっかが挨拶の町人の街と揶揄される。最大の悲劇は江戸時代の豪商淀屋潰し、明治維新の大名貸し両替商潰し。そこに現れた五代友厚が危機に瀕した大阪を救った。そんな大阪の俗を川端康成や梶井基次郎は嫌い、織田作之助は熱愛し、谷崎潤一郎は船場の女世界に憧れた。しかし大阪は天下の客間、学問の町、芝居の町でもあったのであり、中央政府に操られないで、アンドラのように独立すべきだった。戦前に東洋一の商工地であった大阪のオーラが、戦後経済大国日本を生んだ。他にもこのように日本を予見する日本のハートといえるところがあるから、大阪は国のまほろばを自覚し、東洋のパリへ好きやねん大阪、インターナショナルモダンシティムラ大阪を目指し、文化都市としても大成を期すべきである。

目次

1 可哀相な大阪 
大阪の悪評/大阪人の達観/大阪へ来る人「好きやねん大阪」人
2 日本の悲劇―なんで大阪は不細工か 
大火傷負うた大阪/京都や奈良は戦争なかった/貴族と貧乏人/引き立て役の大阪
3 大阪は「幕府の台所」だったのだ 
「大阪は天下の台所」やて欺されたらあかん/金貸した町人がけしからん潰してまえ/武士は借りても踏み倒す
4 大阪一の救世主五代友厚像 
薩摩人が大阪を救う/熱し易くて冷めやすい大阪人
5 日本の喜劇―いじめられっ子大阪 
大阪屈辱史/桁違いの弱い者いじめ/用心しいしい生きて来ても/今もつづく大阪蔑視
6 大阪を書かなかった大阪の作家 
(1)川端康成 大阪が生んだふしぎな作家/中世の上町台地から来た/魔界大阪入り難し
(2)梶井基次郎 自己嫌悪が出発点/純文学 落ちこぼれの悲哀
7 大阪を愛した作家・憧れた作家 
(1)大阪を愛した織田作之助 上町=下町・路地裏の反撥/大阪の俗を愛す
(2)大阪に憧れた谷崎潤一郎 東京下町の理想郷 船場/船場の城の奥方崇拝/大大阪が大谷崎にした
8 平和な日本語 船場ことば・大阪弁 
船場の範囲/船場の城ことば/船場ことば/船場の商用ことば/「はんなり」と「こおと」/「かなんわ」と「かなわんわ」「いややわ」、「そうどす」と「そうだす」/「京阪乗る人おけいはん」考/「いざ行かん」と「うち行かん」/「あほ」考
9 大阪は「天下の客間」だった 
大阪の人は難波宮の都びと/大阪は大坂本願寺があった宗教都市だった/大阪の原点は上町台地
10 大阪は「天下の芝居まち」だった 
道頓堀は芝居まちセンターだった 角藤定憲の壮士劇/オッペケペーの川上音二郎/東京より早く帝国座設立
11 大阪は「天下の学問まち」だった 
社会人大学のまち大坂/町人学者の伝統/学問はいらん大阪へ堕落
12 大阪は国のまほろば 
大阪のアットホーム/味気ない大阪へなぜ/大阪城天守閣を小さくしてしまった大阪/日本のハート大阪
13 大阪独立宣言 
アンドラに見習え/役人の後ろ姿を拝みに行く大阪国の役所/大阪国の国家・国語
14 東洋のパリ好きやねん大阪へ 
芸術の都大阪へ/大阪人のハイセンス/大阪の中之島 パリのシテ島/パリより恵まれた大阪の環境/大阪の存在力
15 日本を予見する大阪オーラ―エコノミックエンジェルへの道―
東洋一の商工地大阪→世界第二の経済大国日本/大阪人は儲りまっかが挨拶→日本人はエコノミックアニマル/文化に冷淡な大阪→歴史を抹殺して行く日本/国のまほろばを忘却した大阪→美しい東洋の国を忘れた日本/文化を虚学と軽視した大阪→ジャップと見下される黄色人種の国日本/大阪人の情→理に傾いてゆく日本/住みやすい大阪→訪れてみたい日本?/大阪の地盤沈下→日本の国際地位低下?
16 大大阪とインターナショナルシティムラ大阪 
なぜ京都の企業は京都を見捨てないのか/もったいない海外投資/「四方に煙を送るべき」/大阪の魅力はインターナショナルシティムラ
17 橋下知事への提言 アンケート(大阪府立文化情報センターより)/アンケートに答えて
主要参考関連文献/あとがき

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